どうして?ということをよく思います。今回皆さんも「どうして?」って思ってるんじゃないかなと考えました。
「どうしてオンライン開催をするの?」です。
ここでは、長い「どうして?」の理由と、チームの話、少しの自分の話を書こうかと思います。
どうして?を知って安心して、9月6日参加してもらえたら嬉しいです。この挨拶文は、WordCamp Ogijima 2020 (ワードキャンプ男木島 2020) を一緒に楽しむための遠足のしおりその1です。
こんにちは。額賀(福井)順子です。男木島に引っ越してきて7年目になります。Webデザイナーで、写真家で、文章を書いたりもしています。男木島では小さな私設図書館をNPO法人主体で運営しています。WordPress (ワードプレス) コミュニティーではDeputyというコミュニティの世話役的なこともしています。
男木島はとても小さな島です。人口は160人程度。私たちが引っ越してきた時は180人程度と言っていたのでこの7年で20人弱、人が減ったことになります。同時に私たちが引っ越してきた後、色んな人が島に引っ越してきたり、その引っ越してきたご家族にお子さんが生まれたりして50人ぐらいの人が増えています。50人増えても20人減っているので、単純な計算で人が引っ越して来ていなければ70人の人口が減っていたことになります
時々男木島は、こうやって引っ越してくる人の多さや、小中学校や保育園が再開したことを受けて「奇跡の島」と呼ばれたりするのですが(それはとても光栄なことではありますが)、全然まだ奇跡には届かないよ、かつかつだよと思ったりもします。
そうそう忘れてはいけないことで、3年に1度瀬戸内国際芸術祭があり、人口160人の島に7万人以上の人がいらしてとても賑わいます。
さて、男木島はそんな島ですので、過疎とか高齢化社会とかオーバーツーリズムとか、日本のあちこちで問題になっていることが縮図のように詰まっています。
だから面白いです。ここで解決ができたら、それはどこかの解決に繋がるかもしれないということでもあると考えています。
いつも大事なことが後々になっちゃうのですが、男木島はとても美しくて魅力的な島です。
住んでいる人たちもユニークです。東京、バンコクと移り住んで男木島にたどり着いた西川さんご家族、WordPressコミュニティーの縁から男木島に遊びに来てそのままアメリカからの引越しを決めたシュローダーご家族。瀬戸内国際芸術祭の参加アーティストで、そのまま男木島に引越し家族を得、漁師や海上タクシーの運転手をしながらイラストレーターをしている橋本さん。
今回の WordCamp Ogijima 2020 メインイラストはその橋本さんが描いたものです。すごくないですか?みんな、褒め称えて!
WordCamp Ogijima の実行委員はそんな風に男木島に住んでいる人から、高松、豊島、岡山、をはじめとした瀬戸内海をぐるっと囲む地域、それからインターンやサポーターとして、東京や熊本、遠く香港からも才能あふれる頼れるみんなが参加してくれています。
昨年末に実行委員募集の呼びかけをした時は、オフラインでの開催を考えていました。そのころはコロナのコの字も見えてなかったんです。最初の実行委員顔合わせミーティングも、たった半年前なのに今から思うと遠い昔みたいですね。
2月ぐらいから新型コロナウイルスの話が出始め、開催について実行委員会でどのようにするか考え始めました。そして、3月に話し合って決めたのは4月5月は実行委員会活動をお休みして月に一度、オンライン飲み会をしてコミュニケーションを取る、その中で開催をどうするか考えましょうという形でした。
実際、男木島は高齢者が多く住む島です。本来ならば7月にオフラインでの開催を計画していましたが、このタイミングで島に多くの人が来て集まるというのは考えられない状況になっていました。
私たちが選択肢として挙げていたのは、
- 延期
- 中止
- オンラインで開催
の3つでした。男木島が素敵な場所で、みんなに来て欲しいからこそ、そしてみんな来たいと思うだろうからこそ、オンラインでして男木島感を出せるのかという話もありました。
そんな中で私の背中を押してくれた発言があります。
昨日、なんかうまく伝えらえなかったので、補足として書かせてもらいますね。2年前に第1回目が大成功して、今回、順子さんが実行委員長として「第2回やるよ!」と声をあげてくれて、前回のスタッフ+今回参加表明してくれた新たなスタッフが集まってくれているんだから、「オンライン開催することに意味があるのか?」とか「男木島らしさって何?」とか難しいこと言ってないで(考えなくてもいいというわけではありませんが)やっちゃいましょう!というのが、僕の意見です。迷ったら原点に立ち戻るということで、あらためて今回のコンセプトを読み返してみましょう。
「WC 男木島 2020 Philosophy & Concept」
冒頭の「人口160人の島に250人呼んじゃおう」というのは、今回は無理かもしれないけれど、それを抜きにしても男木島らしいなって思いませんか?
伝えたいこと・多様性・やりたいこと・課題、全部書いてある。新型コロナウイルスの影響で、東京・関西等々日本各地で毎年開催されている WordCamp の開催が、今年は見送られている中、オンラインであれオフラインであれ WordCamp を開催できるローカルチームが存在している。もう、それだけでも WordCamp Ogijima を開催する理由になると思っています。
今のいろいろ難しい状況の中で、今年日本で WordCamp を開催できるのは男木島しかないよ!
本田さん
本田さんは高松に住む Web屋さんで、第一回のWordCamp Ogijima のときもWordBench(現WordPress Meetup)の回数を重ねてきた私たちに「WordCamp やらないんですか?」と口火を切ってくれた、切り込み隊長的な強さを持った人なのです。
というわけで、上記にある「WC 男木島 2020 Philosophy & Concept」から抜粋してみると
私たちはWordPressを通じて1人ではない。
WC 男木島 2020 Philosophy & Concept
それぞれがそれぞれできることを活かしてやりたいことができる世界。
ただ一個の人間として居て良い。そして自分の力を発揮できる。
個々の人が発信した時に、心動かされたり、助けられたりする人がいる。そうして広がって繋がっていくものは、大きく何かを変える可能性を持っている。
やー、本当ですね。自分で書いたことだけど、「今」でもちゃんと生きてる。本田さん、気づかせてくれてありがとう。
それから、豊島の中村恭子さん。「今、周りに困ってる人がたくさんいる。観光地としての打撃は深刻だし、だからこそWordPressやインターネットができる人が、そういった人たちに向けてできることはあるし、それを期待されてもいる。今やらずにいつやるの?地方だからこそ、今の状況だからこそ、やった方が良いと思う。」という。恭子さんは恥ずかしがるかもしれないけど、「道はこっちだよ」と指してくれるみたいな言葉なのです。
そして、みんなで話し合って、私たちは WordCamp Ogijima 2020 のオンライン開催を決めました。
今できることを今やる というのはとても私たちらしいと思っています。
そして長い時間をかけてコミュニケーションを取っている中で、サポートとかインターンとかそういう役割を超えて、現在はチームみんなが活躍してくれています。
オンラインになった時に、チーム編成をし直したのですが、その際に村上直子さん提案で生まれた「コミュニケーションデザイン」班や、必要で生まれた「配信映像」班、オンライン開催の中どのように伝えていくかを考えまくっている「広報班」などなど、縦横無尽に繋がりながら9月6日に向けて進んでいます。
さて、これがとても長くなりましたが「どうしてオンライン開催なの?」に対しての答えです。
長くなりついでにもう少し。私は今までの人生に何度も躓いて、何度も困ってきました。大学は一回辞めてまた戻ったし、就職活動はまともにしなかったし、潜り込んだ制作会社も精神的に調子を崩して辞めたし、全然まっすぐじゃなく、なんなら寄り道しかしてないぐらいの勢いです。
だけど、まあ、生きてます。そこそこの収入と、家族と、島やWordPressを通じての友だちがいて。
色んな生き方があると思うのです。そして色んなやり方がある。その助けになるの一つのツールとしてWordPressは役立つかもしれない。
今回の WordCamp Ogijima は、コミュニケーションを重視したWordCamp を目指しています。
男木島には、そして WordCamp Ogijima の実行委員には「なかったら作ればいい」と、切り開く力を持った人たちばかりがいます。人も自然も多様性がある。
WordCamp Ogijima では多様性を大切に、どなたでも歓迎します。
WordPress の初心者でも大丈夫!できる人ができることをサポートします。
Webデザイナー、エンジニア、ライター、イラストレーター、ものをつくる人、企業の広報担当、これからウェブサイトを作りたい人、何かを表現したい人、興味のある人だったら誰でも歓迎です。職種ややりたいことの種類は問いません。
WordPress を通じた何かを得ることで生きやすくなる人が、増えたらいいな、と思っています。
WordCamp Ogijima の参加登録開始は8月5日予定です。
オフラインで会える日を楽しみに、オンラインでお会いしましょう!
※本田さんが引用していた「WC 男木島 2020 Philosophy & Concept」はこちらの Google Document です。オフライン開催を考えていた時のものなので少し変わっていっていますが、興味のある方はどうぞご覧ください。